和歌山県歯科医師会ホーム > 歯の知識 > 小児 > 幼児の歯並びが悪いのですが、どうしたらいいでしょうか?
一口に「歯並びが悪い」といっても、乱ぐい歯(叢生)、隙っ歯、歯の数や形の異常から、うけ口(反対咬合)、出っ歯、開咬(前歯が噛み合わない)、など様々な状態があります。
乱ぐい歯
隙っ歯
開咬
幼児で相談が多いのがうけ口(反対咬合)と指しゃぶり(吸指癖)による出っ歯や開咬についてです。下あごや下唇が突き出て上下の前歯の噛み合わせが反対になっている『うけ口』は、家族的な遺伝要素や骨格的な問題がなければ、前歯の生え変わりに伴い治っていく場合が多いと言われています。これを考えるとよほどのケースを除いて前歯が交換するまで様子を見て、6~7歳頃まで永久歯が生え変わっても反対で咬んでいる場合には、矯正治療を考えましょう。
幼児のおしゃぶりの常用や指しゃぶりなどの習癖が度を過ぎると、歯並びが悪くなることがあります。3歳くらいで止められれば問題が残りませんが、4歳を過ぎても続けていると、指だけでなく舌を上下の歯の間に突き出す癖が出てきます。前歯が前に押し出され、『出っ歯』や『開咬』になっていきます。
また、乳歯の歯並びに見られる隙間は何の心配もいりません。これは正常なことなのです。あとから生え変わる大きな永久歯が余裕を持って並ぶのに必要なのです。
逆に、乳歯が隙間なくきれいに並んでいる子供たちの方が、後々問題となるのです。つまり、乳歯よりも大きな永久歯に生え変わる時にスペース不足になり、乱ぐい歯や出っ歯などになってしまう恐れがあります。
最近、乳歯の歯並びに隙間のない子どもたちが目に付きます。これは、『よく噛んで食事をする』という生活習慣が出来ていないからだと考えられます。あごについている咀嚼筋が発達せず、生まれた後からも生活環境が大変重要な役割を果たしています。
この点を含め、乳幼児の歯並びやかみ合わせの発育を見守り、疑問があればかかりつけの歯科医師や専門医に気軽にご相談下さい。
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